第2章 長く使える木の家づくり
建物には地震や暴風時に発生する水平力に対し、建物に使われてぃる材料の重さ(これを「固定荷重」と呼びます)や、その建物を使う人の重さや家具の重さ(これを「積載荷重」と呼びます)、それに屋恨に積もる雪の重さ(これを「積雪荷重」と呼びます)のように重力方向に作用する力がかかります。このような荷重を鉛直カと言います。
在来軸組構法では屋根や床の固定荷重や積載荷重および積雪荷重を、梁や母屋などの横架材で受け、この荷重が束や柱に伝えられ、そこに壁の荷重が加えられながら上から下へと力が伝達され、土台、基礎、そして地盤へと伝えられていきます。力を受ける部材すべてが受けた荷重を十分に受け止め、次の部材へとカが巧く伝えられ、そして最終的に地盤にこれらの荷重を受け止める耐力が備わっていたとき、この建物は鉛直荷重に対して安全が確保されていることになります。
ところで在来軸組構法では荷重を受け止める横架材や柱などの軸部材には、木材が利用されます。木材は生物資源であり、鉄骨やコンクリートとは異なる様々な特徴を持っています。このような特徴を持つ木材を軸部材に使って、長く安心して暮らせる住まいを造り上げるために考慮すべきことは何なのか、第二章では柱や梁に使う材料の種類や大きさを決める方法を通じて、木材の活かし方を確認していくこととします。