日本は森林が国土の約7割を森林が占める森林国であり、その4割が人の手で植えれ、育てられてきた人工林です。戦後植林された木は、「使い時」を迎えています。一方、他の建築材料や輸入材の台頭、昨今の住宅着工戸数の低下などで、国産材の価格は下落、育林の担い手である林業は危機的な状況にあります。このため政府は「10年後の木材自給率50%以上」を目指す「森林・林業再生プラン」を平成21(2009)年12月に策定しました。
同プランでは木材の利用拡大による森林の適切な整備や地球温暖化防止への貢献を実現することが求められています。そのためには、住宅・建築物への地域材(国産材)供給シェアを拡大することが期待されますが、大工就業者数が減少し、さらに高齢化が急速に進行している中で、木造建築を担う技能者の育成や、木造建築物に関する設計・施工に必要な技術やノウハウを習得した技能者の育成が重要です。
平成23年度「木のいえづくりセミナー」は地域材(国産材)利用等に関する知識・技術を普及するために木造設計を担う建築士を知識の面からサポートする目的で、全国7か所で9回開催されました。
(このセミナーは平成23年度林野庁補助事業「地域材供給倍増事業のうち木のまち・木のいえづくり担い手育成技術普及事業」として行われたものです)
実際のセミナーは下記の2部構成で行われました。
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木造住宅の構造設計の基礎
(46条壁量計算、四分割法、N値計算、床倍率等)
原田 浩司氏(ウッドストック技術士事務所・木構造振興株式会社・客員研究員) -
木造住宅の性能を確保する施工技術
(地域材を活用した長期優良住宅の施工技術)
片岡 泰子氏 (一級建築士事務所 木造建築環境設計所)
木いえづくりセミナーWeb版 内容
監修
原田 浩司
木構造振興株式会社 客員研究員
構造設計一級建築士 技術士(森林部門・林産)
広島大学卒。ゼネコン、地域工務店、集成材メーカーを経て現在にいたる。山佐木材株式会社、ウッドストック技術士事務所(主宰)に所属