柱を受ける土台の強度
次の荷重条件と柱断面で、柱を受ける土台の検討してみましょう。この時の基準強度は表2-7から採用し、圧縮許容応力度等と同様に表2-10の係数を乗じて許容応力度を求めることになります。
柱の軸荷重 30.0 kN(固定荷重と積載荷重で生じた軸力)
断面サイズ:120×120
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土台にスギを使用
表2-7 構造用製材、集成材等のめりこみに対する基準強度
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柱には幅3㎝のほぞをつける。
よって柱と土台が接する面積は
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土台をヒノキに変更
表2-7 構造用製材、集成材等のめりこみに対する基準強度
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土台の端部に柱が載る場合のめりこみ強度
木質建材のめりこみに対する基準強度は、表2-7に示されています。しかし土台の端部に柱が載るような場合では、土台の中央部に柱が載る場合と比較するとめりこみによる変形量が大きくなります。
「木質構造設計規準・同解説」ではこの点を踏まえ、めりこみ基準強度を2割減じて横架材のめりこみの検討をすることを求めています。
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ポイント
土台にヒノキを使用した時、柱から伝えられる荷重30kNに対して2.86/2.78=1.03、すなわちギリギリの設計になっています。
一方柱にスギを使った時、柱には4.08/2.08=1.96となり、2倍程度の余裕が、スギを柱材に採用しても残されていることになります。
従って柱と土台の接合を考慮するならば、いくら柱に強度等級の高い規格の材料を使っても大きな意味がないことになります。
部材の樹種や規格を決める時には、様々な強度のバランスやコスト、あるいは環境や耐久性など、いろいろな要素を考えて決めていくことが重要になります。
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