住宅の新築やリフォームをした入居者が目や喉の痛み、めまいや吐き気、頭痛などの症状を起こす「シックハウス症候群」は建材や家具、日用品などから発散する揮発性の有機化合物による室内空気の汚染が原因の一つといわれています。
★「揮発性有機化合物(VOC)」とは・・・
住宅の内装材や家具の製造などに使用される接着剤や塗料、インキなどに含まれるホルムアルデヒドやトルエン、キシレン等の有機溶剤のほか、防蟻剤や防腐剤として使われる揮発性のある化学物質をいいます。
★「国土交通省の住宅性能表示制度による室内化学物質濃度の測定対象5物質」
ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・スチレン・エチルベンゼン
(ホルムアルデヒドは必須で他は選択制)
ホルムアルデヒド
建築基準法に基づき、室内で建築材料としてプリント合板等の化粧板を使用される場合は、ホルムアルデヒドの放散量に応じて使用面積が制限されています。
建築基準法による、建材の使用面積制限
建築材料区分 | ホルムアルデヒドの発散 | JAS等の表示 | 内装仕上げの制限 |
---|---|---|---|
建築基準法の規制対象外 |
放散速度 5μg/㎡h以下 |
F☆☆☆☆ 平均値0.3㎎/L以下 最大値0.4㎎/L以下 |
制限なしに使用できます |
第3種ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
5μg/㎡h超 20μg/㎡h以下 |
F☆☆☆ 平均値0.5㎎/L以下 最大値0.7㎎/L以下 |
使用面積が制限されます |
第2種ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
20μg/㎡h超 120μg/㎡h以下 |
F☆☆ 平均値1.5㎎/L以下 最大値2.1㎎/L以下 |
使用面積が制限されます |
第1種ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
120μg/㎡h超 | 無等級(旧FC2) 平均値5.0㎎/L以下 最大値7.0㎎/L以下 |
使用できません |
4VOC(トルエン・キシレン・スチレン・エチルベンゼン)
建築基準法等の法的な規制がないため、2007年日本プリント・カラー合板工業組合など業界団体が自主的な規制として自主表示登録制度を設置しました。 同制度の規程に基づき審査を受け、4VOCのすべての化学物質が規制基準値以下の製品として登録されたプリント合板等の化粧板については、安心してご使用いただけるよう、
「4VOC基準適合」の表示がしてあり、自主表示登録8団体において商標登録されています。
4VOCの基準値
対象VOC | 略記号 | 放散速度基準値 |
---|---|---|
トルエン | T | 38μg /㎡h |
キシレン | X | 29μg /㎡h (2019.1.17改定) |
スチレン | S | 32μg /㎡h |
エチルベンゼン | E | 550μg /㎡h |
プリント合板、カラー合板などの化粧板の化学物質対策の表示について
規制対象 化学物質 |
規制の根拠 | 基準表示 | 基準表示対象 |
---|---|---|---|
ホルムアルデヒド | 建築基準法 | F☆☆☆☆ F☆☆☆ F☆☆ 等 |
・JAS規格認証 ・JIS規格認証 ・国土交通大臣認定 ・業界団体(注1)による自主表示登録 (上記のいずれかに該当する製品) |
4VOC トルエン キシレン スチレン エチルベンゼン |
建材からの VOC放散速度基準 |
4VOC基準適合 | ・業界団体(注1)による自主表示登録 |
(注1)業界団体:日本プリント・カラー合板工業組合のほかホルムアルデヒド・・10団体、 4VOC・・8団体